2022年8月11日(木)

トピックス 昆布講座、昆布料理

みをつくし料理帖「残月」P241~

はじまりは、このリーフレット「昆布」↓↓ から。

これほど美しい、完成されたリーフレットは他にないと自負する奥井海生堂のリーフレットです。お客様からも、色々なお問い合わせをいただきます。

右側の昆布のお料理「天上昆布」このお料理のご質問も多いです。器についても。。。


そんな中、お客様からお葉書をいただきました。ご質問ではありません。とてもありがたい内容です。一部転載させていただきます。

今回、昆布というパンフレットに「天上昆布の作り方」見つけました。高田郁作「みをつくし料理帖」シリーズ「残月」・・・(中略)に出ていたものです。思わず本棚から文庫本をさがし、改めて読み直しました。楽しいパンフレットをありがとうございました。(後略)


このご丁寧なありがたいお葉書に早速、お返事しました。
そして、この文庫本を取り寄せ、その内容に驚きました。感無量でした。そして、間もなく、素敵なお葉書がもう一度届きました。挿し絵も美しい鳩居堂の和紙のお葉書で。センスの良い上品さが際立ちます。


P240からご紹介

料理屋が料理に最も重き置くのは当然だが、それのみでは足りない。器や膳に気を配るのは無論のこと、掛け軸や花器の花を含む部屋そのものの設え、障子から覗く景色の風情・・・(中略)全てが整ってこその料理なのだ。

P242

「私ら昆布を扱うものにとっては、それはまさに誉となる料理だす」(中略)
「重ねた昆布を竹皮で結わえ、大鍋に入れ灰汁を取りつつ・・・」

時に火を入れ、時に火から外し、重ねた昆布に刻をかけてじっくりと味をいれ、旨味を閉じ込めていく。丁度赤子を育てるように始終目を行き届かせ、気を配り、決しておろそかにしない。そうすることでしか、生まれない味があった。昆布には「喜ぶ」に通じるし、刻をかければ美味しくなるところなど、婚礼の宴には相応しい料理になるだろう。(後略)

昆布のことを知り尽くしているこの言葉に、昆布の神髄、夫婦の神髄も?教えられました。そうそう、出汁を引くときもあわててはいけないことばかりです。どうしても時短だけに注目する生活の中に、時間をかけることの意味を改めて感じ入りました。

何を捨てるか何を残すか、断捨離の日々の中で、少し立ち止まっている今日この頃、読めずに山積みの本を見つめています。

貴重な書籍をご教授くださってありがとうございます。