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HOME > 昆布と食文化 > 永平寺の精進料理と昆布 : 大庫院でのお料理 : 取材記 H21年8月

永平寺大庫院取材記


※この項の写真は、2009年8月、特別のご許可を得て撮影しました。
㈱奥井海生堂 広報部 



永平寺で供される客膳
▲永平寺で供される客膳。左上には昆布を使った煮物がみえます。


曹洞宗の開祖、道元禅師は福井の奥深い山中、志比の地に大本山永平寺を開かれました。
以来七百六十年余にわたり、御本山は厳しい修行道場としてその歴史を今に刻んでおります。

 千二百四十四年の開山以来、修行の全ては道元禅師が示した規範を基に続けられています。
二百余人を超える雲水(修行僧)の食事もその一つ。
禅師が記した『典座教訓』に示された食事に関する細かい規範、
食の教えは、今も厳格に守り続けられています。


三好典座御老師と奥井社長  弊社が百十年にわたりお出入りを
許されている永平寺のお台所・大庫院。
社員ともども訪ねてまいりました。

永平寺の食を司る役寮を典座(てんぞ)と
呼びます。六知事に数えられる重責で
現在は三好良久御老師が勤めておられます

 今回の訪問では、特別の御許可をいただき
三好典座御老師をはじめ、大庫院で修行僧のお食事やお客様の客膳の取材をさせて
いただきました。また同時に、永平寺に
伝わる精進料理にまつわるお話を
色々とうかがいました。
▲大庫院(だいくいん)にて。三好典座老師と弊社社長。


 毎年、新たに永平寺で修行を始める僧は春に上山します。修行僧に許された持ち物は、わずかな身の回り品のみです。その中に応量器と呼ばれる食器があります。
永平寺 応量器
▲応量器と呼ばれる雲水の食器。五つの器がすっきりと入れ子状に納まります。

 食事は修行する体を作る大切なものと考えられています。永平寺では食事をいただくのも修行。薬石とも呼ばれています。永平寺の開山以来変わらぬ、修行僧の朝食は、玄米粥とたっぷりの黒ごま塩、それに沢庵です。毎年暮れに、永平寺では一年分の沢庵として一万本以上の大根を漬けます。これも修行僧の作務のひとつです。
雲水の朝食。玄米粥とたっぷりの黒ごま塩、沢庵。
▲雲水の朝食。玄米粥とたっぷりの黒ごま塩、沢庵。
開山以来絶えることなく、雲水たちに食べ継がれてきた献立。



汁椀の横に添えられた生飯(さば)。
 昼食の時には、粥ではなく御飯をいただきます。

 その際、刷(せつ)と呼ばれる木の匙の端に御飯粒を七粒のせて、万物の生き物、なかでも不幸にして食べる事の出来ない生き物と
分かち合うことで、それを供養、施食としますこの習慣は生飯(さば)と呼ばれ、
今でも守り伝えられています。

 仏法の、分かち合う御仏の心が
生飯のなかに生きています。
▲汁椀の横に添えられた生飯(さば)。
古くから伝えられ、今も守られています。



雲水の昼食。混ぜごはんや根菜たっぷりの味噌汁など
▲雲水の昼食。混ぜごはんや根菜たっぷりの味噌汁など、
精進料理として栄養バランスや彩りに配慮されています。
 永平寺の一日は振鈴(しんれい)で始まります。担当の修行僧は、広い山内をくまなく鈴を振りながら駆け巡り、修行僧を起こしに廻ります。
 種々の行事の節目には時宜に応じた鳴物―梵鐘や鉄の板(雲板)などを鳴らし、その時を全山に知らせます。

 また、食事の準備が整った合図には魚の形をした木の板、魚鼓(ほう)を叩き知らせます。二百六十年前に作られた魚鼓が大庫院につるされています。
大庫院の天井からつるされた魚鼓(ほう)
▲大庫院の天井からつるされた魚鼓(ほう)。
毎日打ち鳴らされる胴の部分は磨り減っているのがよくわかります。


※腹の部分には寄進年と思われる 宝暦二年(1752年頃)の文字が彫られています。
 三好典座老師からうかがった中で、特に弊社に関わりの深いお話がありました。
鎌倉時代、既に永平寺では海藻(昆布)の天ぷらを揚げていたそうです。
菜食中心のためか、何かと栄養不足だった修行僧の滋養源として、
ごま油でパリッと揚げられた昆布が欠かせなかったそうです。
海藻のヨードと植物性油脂を一緒に吸収できる、高級な料理であったとおもわれます。

 永平寺の山号、吉祥山からそのお名前を頂いた、油で揚げた吉祥昆布は、
今でも永平寺の名物料理として守り伝えられています。
弊社では百十年以上にわたり吉祥昆布をお納めしております。



客膳に台引として供される吉祥昆布。
▲客膳に台引として供される吉祥昆布。
蛇の腹に似ているところから、蛇腹昆布(R)とも呼ばれます。

永平寺で記念撮影
▲大庫院にて、お世話になった典座御老師、雲水の方々と
最後に記念撮影。

【平成21年8月6日取材】
(文・奥井 隆)
  【文章、写真の無断転載を禁じます】   





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